『歩きにくい』などの症状は脳の病気が影響しているケースもあります
歩行に支障をきたす原因は足や股関節などの病気だけではありません。脳の病気が歩行に影響するケースもあります。
当クリニックでは、脳神経外科専門医がその歩行障害の原因が脳にあるかどうかを専門的に診察、診断いたします。歩行に関して気になる症状がある場合は、お気軽にご相談ください。
脳の病気が影響している場合の
主な症状
すり足になってしまう
歩みが小刻みなってしまう
少しの徒歩で足がすぐに疲れてしまう
最初の一歩が出にくい
方向転換の際に頻繁にふらついてしまう
真っ直ぐに歩くのが難しい
突然、足が動かしづらくなってしまった
原因が脳に関する場合に考えられる
主な疾患
脳梗塞(多発ラクナ梗塞)
MRIなどの画像検査で両側大脳基底核や視床、放線冠などに小さな脳梗塞が多発している状態です。同時に脳質周囲や深部大脳皮質下の白質病変を伴っていることも多いです。長年の高血圧などの生活習慣病を原因として、脳を栄養する細い血管が動脈硬化をきたし閉塞したことが原因です。高血圧や糖尿病といった生活習慣病の管理を行い、進行の予防に努めることが重要です。
特発性正常圧水頭症
頭蓋(ずがい)内に脳脊髄液(のうせきずいえき)が溜まり、脳が圧迫され、歩行障害・認知症・尿失禁などの症状が出る病気です。特に歩行障害は出現する確率が高く、歩幅が狭くなる、床に張り付いたようで足が前に出にくいなどの特徴があります。髄液排除試験や画像検査を行い、場合によってはシャント手術をすれば症状が改善することがあります。
頚部脊椎症
頚椎椎間板の変性に伴い、頚椎が変形すると、まず上肢のしびれ、握力の低下が出現します。脊髄への圧迫が進行すると、下肢の痙性、歩行障害、排尿障害などの症状が出ます。症状が重度であれば画像検査などを行った上で手術療法を検討します。
間欠性跛行
何らかの原因で歩いては休むことを繰り返す歩き方を、間欠性跛行を呼びます。神経が原因となっている、腰部脊柱管狭窄症や、血管が原因となる閉塞性動脈硬化症など原因となります。
急性横断性脊髄炎
24時間以内で発症する弛緩性対麻痺や尿閉が主な症状です。ウイルス感染の後やワクチン接種後におこることや、膠原病などの疾患が背景にあることも多いので、免疫の関連が示唆されていますが、はっきりした原因はわかっていません。ステロイドや血漿交換といった脳神経内科での専門的な検査、治療を要します。