人生の3分の1は睡眠です
人生の3分の1は睡眠に費やされていますが、良質な睡眠がとれないと、日中の活動性や労働の質、運転能力などが低下することはもちろん、高血圧や虚血性心疾患、糖尿病などの生活習慣病を高率に合併し、生命予後に影響を与えることが明らかになっています。
睡眠障害の分類
不眠症
ストレス社会の中で不眠症は増加傾向にあり、成人の約20%が不眠症と言われています。不眠症は、入眠困難(寝付けない)、中途覚醒(夜中に何度も目が覚める)、早期覚醒(早朝や夜中に目が覚めて寝付けない)の3つに大きく分類されます。入眠困難は就寝前のパソコン、スマートフォンの使用が原因となっていることも多いです。むずむず脚症候群などの病気も原因となります。中途・早朝覚醒は高齢者やうつ病を患っている方に多く見られます。
むずむず脚症候群
夜間に脚を中心に不快な異常感覚を生じて、脚を動かしたくてたまらない衝動に駆られる病気です。安静に横になっている時や座っている時に出現し、脚を動かすことで症状は改善し、夕方から夜間に増悪します。病態としてドーパミンや鉄の代謝が関連していると言われています。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠中に何度も呼吸が止まったり、浅くなったりして体の低酸素状態が発生する病気です。周囲からいびきを指摘される、夜間の睡眠中によく目が覚める、起床時に頭痛や体のだるい感じがある、日中に眠気があるといった症状が出ます。睡眠中の低酸素や日中の眠気などによるストレスのために、高血圧、脳卒中、心筋梗塞といった疾患に繋がる可能性があります。鼻にマスクをつけ,特殊な機械で圧力をかけて空気を送り込むCPAP療法という治療法があります。