継続的にふるえが起こる場合は何らかの疾患が隠れている可能性があります
ふるえやけいれんは、自らの意思とは関係無く、身体の一部が勝手に動いてしまう症状を言います。
ふるえは日常的によく見られる症状で、生理的に起こっているふるえの場合はほぼ心配は不要ですが、ふるえを頻繁に繰り返す場合や、継続的にふるえが起こる場合は、何らかの疾患が隠れている可能性があり注意が必要です。
本態性振戦
姿勢時や動作時に両側性にみられる細かい振戦です。上肢や指に最も多く、頭や声が震えることもあります。書字や食事の際に不便を感じることが多いです。アルコールを飲むと振戦が減弱するという特徴があります。鑑別診断として、甲状腺機能亢進症、薬剤誘発性てんかんなどがあります。薬剤治療を行いますが、効果が得られないときは手術を行うこともあります。
片側性顔面痙攣
片側の眼輪筋を中心にピクピクと痙攣が起きて、目が閉じるような状態になります。同時に口角も上へ引かれるような状態になることもあります。顔面神経が脳幹を出たところで動脈に触れて刺激となっていることが原因とされています。抗てんかん薬の内服やボツリヌス毒素の局所注射、手術などの選択肢があります。
メージュ症候群
不随意的な眼瞼の攣縮のために自然に眼が開きにくくなったり、勝手に閉じてしまう疾患です。投薬による治療やボツリヌス毒素の局所注射をおこないます。
チック症
目をぱちぱちさせる、肩をすくめる、首を振るなどの常同的で不随意な運動をします。小学校低学年で発症し、小学校高学年に症状が目立ち、成人すると症状が目立たなくなることが多いです。ADHD(注意欠如多動症)や、強迫性障害を合併することがあり、成人後はそちらの管理が重要になってきます。
局所ジストニア:書痙、職業性ジストニアなど
字を書くときに手がこわばる書痙、楽器を演奏するときに指や手首が思うように動かない音楽家ジストニアなどがあります。このような手に発症するジストニアは、繰り返し同じ動作を長期間行いつづけることで発症すると言われています。内服、局所注射の治療を行いますが、専門的な手術を行うこともあります。