記憶がなくなる症状は幾つか種類があります
一過性全健忘、外傷性健忘、海馬梗塞など、記憶がなくなる症状は幾つか種類があります。
幾つかの種類を解説します。
記憶がなくなる症状の分類
一過性全健忘
中年以降に多い一過性で発作的な記憶障害です突然始まります。記憶が急になくなり、自分と周囲の状況が理解できなくなるので、強い不安に陥り、「自分は何をしているのか」などの同じ質問を不安そうに何度も繰り返します。発作前の出来事に関する記憶もなくなることがありますが、その期間は様々です。記憶障害は強いですが、意識は正常で、会話は複雑な行動は問題なくできます。発作期間中に出来事は思い出せないことが多いです。長くても24時間以内には自然の正常な状態に戻ります。
外傷性健忘
強い頭部打撲による脳震盪の直後から一定期間その後も記憶ができなくなります。多くは数分以内ですが、数日持続することもあります。この間、本人は一見正常に行動していますが、後になってその間の記憶は全くありません。記憶がない期間の長さは外傷の程度と比例することが多いです。
海馬梗塞
一過性全健忘と同じように、記憶障害が24時間以内に日常生活で問題ない程度まで改善したとしても、さらなる記憶障害の検査を行うと症状が残存している場合があります。その場合、MRIを撮影すると海馬に脳梗塞を認めることがあります。脳梗塞があったとしても記憶障害は改善することもありますが、適切な治療を行い、脳梗塞に再発予防に努めることが重要です。