「片頭痛は昔からあるから仕方ない」
「市販の痛み止めで何とかなる」
「脳の病気ではなさそうだから、受診するほどではない」
このように考えて、片頭痛を長年我慢している方は少なくありません。
しかし、片頭痛は単なる“頭の痛み”ではなく、吐き気、光や音への過敏、仕事や家事への支障を伴うことがある神経の病気です。放置すると、頭痛の回数が増えたり、薬が効きにくくなったり、日常生活への影響が大きくなることがあります。
今回は、片頭痛を放置するとどうなるのか、どのようなタイミングで受診した方がよいのかを、脳神経外科の視点からわかりやすく解説します。
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片頭痛は”我慢すればよい頭痛”ではありません
片頭痛は、ズキズキと脈打つような痛み、吐き気、光・音・においへの過敏、体を動かすと悪化する、といった特徴を持つ頭痛です。
痛みが強い日だけでなく、頭痛が起こる前から眠気、だるさ、首や肩のこり、あくび、気分の変化などを感じる方もいます。また、頭痛が治まった後も疲労感や集中力低下が続くことがあります。
つまり片頭痛は、痛い時間だけの問題ではありません。発作の前後も含めて、生活全体に影響する病気です。
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放置すると起こりやすい問題① 頭痛の回数が増える
片頭痛は、最初は月に数回でも、ストレス、睡眠不足、ホルモン変化、天候、生活リズムの乱れなどが重なることで、徐々に回数が増えることがあります。
「月に1〜2回だった頭痛が、週1回になった」
「最近は頭痛がない日の方が少ない」
「軽い頭痛が毎日のように続く」
このような変化がある場合は、片頭痛が慢性化している可能性があります。
慢性片頭痛とは、簡単に言うと、1か月のうち15日以上頭痛があり、そのうち8日以上が片頭痛らしい頭痛である状態が3か月以上続くものです。ここまで進むと、痛い時だけ薬を飲む治療ではコントロールが難しくなることがあります。
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放置すると起こりやすい問題② 薬が増え、薬剤の使用過多による頭痛につながる
片頭痛を我慢している方ほど、市販薬や痛み止めを自己判断で使い続けていることがあります。
痛い時に薬を使うこと自体は悪いことではありません。問題は、頭痛の回数が多い状態で、痛み止めを頻回に使い続けることです。
月に10日以上、または薬の種類によっては月に15日以上、痛み止めや片頭痛薬を使う状態が続くと、薬剤の使用過多による頭痛が起こることがあります。いわゆる「薬の飲みすぎによる頭痛」です。
この状態になると、
薬を飲んでも効きにくい
朝から頭が重い
頭痛の回数がさらに増える
薬を飲まないと不安になる
片頭痛と緊張型頭痛のような痛みが混ざってくる
といった悪循環に入ることがあります。
特に、市販薬を頻回に使用している方、複数の痛み止めを使い分けている方、カフェインを含む薬をよく使う方は注意が必要です。
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放置すると起こりやすい問題③ 仕事・家事・育児・学業のパフォーマンスが落ちる
片頭痛は、命に関わる病気ではないことが多い一方で、生活の質を大きく下げる病気です。
頭痛がある日は仕事に集中できない。
子どもの行事や家族の予定をキャンセルしてしまう。
家事を最低限こなすだけで精一杯になる。
学校や部活を休みがちになる。
このような影響は、本人にとって大きな負担です。
また、周囲からは「ただの頭痛」「休むほどではない」と見られやすく、つらさが伝わりにくいこともあります。その結果、無理を重ねてしまい、さらに片頭痛が悪化する方もいます。
片頭痛は、痛みの強さだけでなく、「生活にどれくらい支障が出ているか」を基準に考えることが大切です。
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放置すると起こりやすい問題④ 不安・睡眠障害・気分の落ち込みにつながる
片頭痛が続くと、「また頭痛が来るのではないか」という不安が強くなることがあります。
旅行、外出、仕事の予定、人と会う予定などを立てる時に、頭痛のことが常に気になる。頭痛が怖くて行動範囲が狭くなる。薬を持っていないと不安になる。
このような状態が続くと、睡眠の質が低下したり、気分の落ち込みにつながったりすることがあります。睡眠不足やストレスは片頭痛を悪化させる要因にもなるため、ここでも悪循環が生じます。
片頭痛の治療では、痛みを取るだけでなく、「頭痛に振り回される生活」から抜け出すことが重要です。
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放置すると起こりやすい問題⑤ 危険な頭痛を見逃す可能性がある
片頭痛そのものが、すぐに脳出血や脳腫瘍を引き起こすわけではありません。
ただし、「片頭痛だと思っていた頭痛」が、実は別の病気による頭痛であることがあります。特に、これまでと違う頭痛が出た場合は注意が必要です。
次のような場合は、早めの受診、場合によっては救急受診が必要です。
突然バットで殴られたような激しい頭痛
今まで経験したことがない最悪の頭痛
手足の麻痺、しびれ、ろれつが回らない、視野が欠ける
発熱、首の硬さ、意識がぼんやりする
50歳以降に初めて起こった頭痛
頭を打った後から続く頭痛
妊娠中・産後の強い頭痛
がん、免疫低下、血液をサラサラにする薬を使用中の新しい頭痛
頭痛の頻度や強さが急に変わってきた
このような頭痛では、脳出血、くも膜下出血、脳腫瘍、髄膜炎、脳静脈洞血栓症、脳動脈解離、側頭動脈炎などを鑑別する必要があります。
必要に応じて、頭部MRI、MRA、CT、血液検査、眼底検査などを行い、危険な頭痛ではないかを確認します。
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片頭痛は”痛くなってから薬”だけでは不十分なことがあります
片頭痛治療には、大きく分けて3つの柱があります。
1つ目は、痛い時に使う薬です。
トリプタン、ジタン、ゲパント、NSAIDs、アセトアミノフェンなどを、頭痛のタイプや持病に合わせて選びます。
2つ目は、予防治療です。
頭痛の回数が多い方、痛み止めの使用が多い方、生活への支障が大きい方では、予防薬を使うことで頭痛の回数や重症度を減らせる可能性があります。内服薬だけでなく、CGRP関連抗体薬などの注射薬も選択肢になります。
3つ目は、生活面の調整です。
睡眠、食事、ストレス、月経周期、天候、光刺激、アルコール、肩こりなど、自分の頭痛に関係する要因を知ることが大切です。頭痛ダイアリーをつけると、治療方針を決めやすくなります。
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受診の目安
次のような方は、一度、頭痛外来や脳神経外科で相談することをおすすめします。
月に4日以上、頭痛で困っている
市販薬や痛み止めを月10日以上使っている
頭痛で仕事、家事、育児、学校に支障が出ている
吐き気、光や音への過敏を伴う頭痛がある
生理前後に強い頭痛を繰り返す
これまでと違う頭痛が出てきた
脳の病気が心配で、一度MRIを受けたい
片頭痛は、適切に診断し、治療を組み立てることで、生活への支障を減らせる病気です。
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まとめ:片頭痛は我慢せず、早めに対策を
片頭痛を放置すると、頭痛の回数が増える、薬が効きにくくなる、薬剤の使用過多による頭痛が起こる、仕事や家事に支障が出る、不安や睡眠障害につながる、といった問題が起こることがあります。
大切なのは、「痛くなったら薬を飲んで耐える」だけで終わらせないことです。
片頭痛は、痛みの原因を正しく評価し、急性期治療、予防治療、生活面の工夫を組み合わせることで、改善を目指すことができます。
姫路周辺で、繰り返す頭痛、片頭痛、市販薬の使いすぎ、頭痛の悪化でお困りの方は、頭痛外来で一度ご相談ください。
「いつもの頭痛だから」と我慢し続ける前に、今の頭痛の状態を確認することが大切です。


