「片頭痛の予防薬を飲み始めたけれど、まだ頭痛がある」
「少し良くなったので、もう薬をやめてもよいですか?」
頭痛外来では、このようなご相談をよく受けます。
結論からいうと、片頭痛の予防治療は、適切な薬を選び、一定期間継続することが重要です。ただし、単に我慢して同じ薬を飲み続ければよいわけではありません。効果だけでなく、副作用や服用方法を含めて「続けやすい治療」を選ぶ必要があります。
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片頭痛予防薬は「痛くなったときの薬」とは違います
片頭痛の薬には、大きく分けて次の2種類があります。
・頭痛発作が起きたときに使用する急性期治療薬
・頭痛が起こる回数や重症度を減らす予防薬
予防薬は、服用した直後に痛みを止める薬ではありません。毎日または定期的に使用することで、片頭痛が起こりにくい状態を目指します。
予防治療の目的は、頭痛を完全にゼロにすることだけではありません。
片頭痛が起こる日数を減らす
頭痛の程度や持続時間を軽くする
痛み止めが効きやすくなる
仕事や家事、育児を休む日を減らす
頭痛に対する不安を軽くする
このように、日常生活への影響を減らすことが大切な目標です。
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予防薬はすぐにやめず、効果を見極める期間が必要です
片頭痛の予防薬は、効果が現れるまでに数週間から数か月かかることがあります。そのため、飲み始めて1~2週間で頭痛が残っているからといって、「この薬は効かない」と判断するのは早すぎる場合があります。
日本の『頭痛の診療ガイドライン2021』では、片頭痛予防療法の効果判定には少なくとも2か月を要するとされています。有効性が確認され、副作用に問題がなければ、6~12か月程度の継続が推奨されています。頭痛が良好にコントロールできた後に、医師と相談しながら徐々に減量や中止を検討します。
つまり、予防薬は「数回飲んで効かなければ終了する薬」ではなく、頭痛日数を記録しながら一定期間かけて評価する治療です。
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HERMES試験が示した「続けやすさ」の重要性
片頭痛予防では、薬に効果があっても、副作用のために続けられなければ十分な治療効果を得られません。
この点を検討した代表的な研究が、HERMES試験です。
HERMES試験は、成人の片頭痛患者777人を対象に、CGRP受容体抗体薬のエレヌマブと、海外で片頭痛予防薬として広く使用されているトピラマートを24週間比較した無作為化二重盲検試験です。
副作用によって治療を中止した人は、
エレヌマブ群:10.6%
トピラマート群:38.9%
でした。
副作用による中止のオッズ比は0.19で、エレヌマブ群ではトピラマート群と比べて、副作用で中止するオッズが約81%低かったことを意味します。
また、月間片頭痛日数が50%以上減少した人は、
エレヌマブ群:55.4%
トピラマート群:31.2%
であり、エレヌマブ群のほうが有意に多い結果でした。
この試験からわかるのは、予防治療では「薬が効くか」だけでなく、副作用が少なく、治療を継続できるかどうかも重要だということです。
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合わない薬を無理に続ける必要はありません
「継続が大切」といっても、強い眠気、めまい、体重変化、しびれ、便秘、気分の変化などを我慢して、合わない薬を飲み続けるという意味ではありません。
副作用がある場合は、自己判断で突然中止するのではなく、医師に相談してください。
薬の量を調整する
服用する時間を変更する
別の予防薬に変更する
CGRP関連抗体薬やゲパントなどを検討する
他の予防薬と組み合わせる
といった対応が可能です。
現在は、血圧の薬、抗てんかん薬、抗うつ薬、カルシウム拮抗薬に加え、片頭痛の仕組みに関係するCGRPを標的とした治療薬も選択できるようになりました。海外の学会でも、CGRP標的治療は有効性、安全性、忍容性を踏まえ、片頭痛予防の第一選択肢の一つとして位置づけられています。
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予防治療を続けるためのポイント
予防薬の効果を正しく判断するには、頭痛ダイアリーやアプリで、次の項目を記録しましょう。
頭痛があった日
片頭痛らしい症状があった日
痛み止めを使用した日
仕事や学校を休んだ日
薬の副作用
「最近なんとなく良い」という感覚だけでは、治療効果を正確に判断できないことがあります。治療前と比べて、頭痛日数や生活への支障がどの程度改善したかを確認することが大切です。
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良くなっても、自己判断で中止しないでください
予防薬で頭痛が減ると、「治ったので薬は不要」と感じることがあります。しかし、実際には薬によって片頭痛が抑えられている可能性があります。
十分に安定する前に中止すると、頭痛が再び増えることがあります。一方で、すべての患者さんが予防薬を一生続ける必要があるわけではありません。
頭痛が安定した状態が続けば、生活環境、季節、仕事の状況なども考慮しながら、減量や終了を検討します。中止後に再び頭痛が増えた場合には、早めに治療を再開することも選択肢です。
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姫路で片頭痛・頭痛予防についてお悩みの方へ
片頭痛予防で最も大切なのは、単に薬を処方することではなく、患者さんに合った「効果があり、続けやすい治療」を見つけることです。
月に何度も頭痛がある、痛み止めを頻繁に使用している、頭痛のために仕事や家事に支障が出ている方は、予防治療を検討するタイミングかもしれません。
姫路駅前みどり脳神経外科クリニックでは、頭痛の診断、MRI検査、片頭痛の急性期治療、従来の予防薬、CGRP関連抗体薬やゲパントを含め、症状や生活に合わせた治療を提案しています。
片頭痛は、適切に診断し、治療を継続することで、日常生活への負担を大きく減らせる可能性があります。頭痛を我慢することを当たり前にせず、姫路の頭痛外来・脳神経外科へご相談ください。


