「レイボーを飲むと頭痛は良くなるけれど、めまいがつらい」「ナルティークはどんな人に向いていますか?」
片頭痛の薬は、痛みを抑える力だけでなく、服用後に普段どおりの生活を送れるかも重要です。
2026年11月5日、医学誌『Neurological Sciences』に、ラスミジタン(レイボー)とリメゲパント(ナルティーク)をの診療データで比較した研究が発表されました。
レイボーとナルティークは何が違う?
片頭痛は、脳の神経系が関係する病気です。発作時には三叉神経系の活動やCGRPという物質などが、痛みの伝達に関わります。
レイボーは、セロトニンの5-HT1F受容体に作用して痛みの伝達を抑える薬です。従来のトリプタンと異なり、血管収縮作用を持たないのが特徴です。一方、眠気やめまいなどが起こることがあります。
ナルティークは、CGRP受容体を抑える「ゲパント」という薬です。こちらもトリプタンのような血管収縮作用を持たず、日本では片頭痛発作時の治療と、発作を減らす予防治療の両方に承認されています。
最新研究の結果は?
イタリアの多施設研究では、ナルティークを使用した191人と、レイボーを使用した58人、合計249人のデータを比較しました。
最初の発作で服用2時間後に頭痛が完全に消えた割合は、ナルティーク43.5%、レイボー32.8%でした。
数字に差はありましたが、統計学的に明らかな差とは判断されませんでした。
一方、最初の発作で何らかの有害事象を報告した人は、ナルティーク11.5%、レイボー53.4%でした。副作用などの症状は、レイボー群で多く報告されました。
ただし、今回の研究は二つの別々の研究結果を間接的に比較したものです。同じ条件で薬を無作為に割り当てた直接比較試験ではありません。
患者さんの重症度や治療歴にも違いがあり、「ナルティークの方が必ず効く」と証明されたわけではありません。
効果だけでなく、服用後の生活も大切
頭痛が軽くなっても、強いめまいや眠気で仕事や家事ができなければ、患者さんにとって十分な治療とは言えない場合があります。
レイボーは、服用後の運転能力に影響する可能性があるため、自動車の運転や危険を伴う機械の操作について特に注意が必要です。
一方、ナルティークにも悪心などの副作用はあり、ほかの薬との相互作用や、肝臓・腎臓の状態に応じた注意が必要です。
どちらもすべての患者さんに適しているわけではありません。症状や持病、仕事の内容、通勤手段などを考慮して選びます。
頭痛薬が効かないときは?
1回飲んで効かなかっただけで、必ずしもその薬が合わないとは限りません。服用するタイミング、発作の強さ、吐き気の有無などによっても結果が変わります。
診察では、直近の数回の発作で「2時間後に頭痛が消えたか」「追加の薬が必要だったか」「副作用が出たか」「仕事や家事に戻れたか」を確認すると有用です。
また、頭痛薬を使う日が増えている場合には、薬剤使用過多による頭痛が重なっていないか確認します。頭痛が頻繁な方では、急性期薬の変更だけでなく、予防治療も大切な選択肢です。
MRIを撮った方がよい?
典型的な片頭痛は症状や経過から診断できるため、すべての方にMRIが必要なわけではありません。
一方、突然起こった激しい頭痛、麻痺や言葉の出にくさを伴う頭痛、今までと明らかに違う頭痛では、片頭痛以外の病気について速やかな評価が必要です。
自分に合った薬を選ぶために
片頭痛治療の目的は、単に痛みを軽くすることだけではありません。仕事、家事、育児、趣味など、頭痛に妨げられない時間を取り戻すことです。
姫路駅前みどり脳神経外科クリニックでは、頭痛の頻度や急性期薬の効果、副作用、生活への影響を確認し、治療を検討しています。
頭痛が改善しても副作用で困っている場合は、薬の変更を相談する価値があります。 自己判断で増量・併用せず、診察時に具体的な困りごとをお伝えください。
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参考文献
Vaghi G, et al. Effectiveness and safety of lasmiditan and rimegepant in the acute migraine treatment: an indirect real-world comparison. Neurological Sciences. Published November 5, 2026. DOI: 10.1007/s10072-026-09510-6.


