「頭痛薬を飲んでいるのに、仕事や家事がつらい」

 

「以前より、頭痛が起こる日が増えてきた」

 

「頭痛が来るかもしれないと思うと、予定を入れるのが不安」

 

片頭痛について、このようなお悩みはありませんか。

 

片頭痛は、単に「頭が痛くなる病気」ではありません。

 

吐き気や光・音への過敏さなどを伴い、日常生活に大きな支障をもたらすことがあります。

 

そして、その背景には、神経や血管、感覚を処理する脳のネットワークが関わっています。決して、気持ちの弱さや我慢の足りなさだけで説明できるものではありません。

 

2026年10月7日、医学誌『The Lancet』に、片頭痛の仕組みと治療について整理した総説「Migraine」が公開されました。

 

長年の研究によって片頭痛への理解が深まり、その仕組みを標的にした治療が発展していることが解説されています。PubMed

 

この記事では、その総説を紹介した資料をもとに、患者さんに知っていただきたい内容をお伝えします。

 

最初にお伝えしたいのは、片頭痛の治療には「起こった頭痛を抑える」だけでなく、「頭痛そのものを減らす」という選択肢があることです。

 

薬物治療と、病気への理解、生活に合わせた工夫を組み合わせて考えることが大切です。 

 

1.片頭痛は、多くの人が抱えている病気です

総説で紹介されている2021年の世界疾病負担研究では、1年間に片頭痛を経験する人の割合は世界人口の約14.2%、約11億6,000万人と推計されています。およそ7人に1人という計算です。

 

女性では約17.9%、男性では約10.6%とされ、女性に多いものの、男性にも決して珍しくありません。これらは世界全体の推計であり、そのまま日本の割合を示した数字ではありません。 

 

ただ、患者さんにとって大切なのは、病気の人数だけではないでしょう。

 

「休むほどではないけれど、頭痛のある日は仕事が進まない」


「家事は何とかこなしているけれど、その後は横になってしまう」


「子どもと遊ぶ約束をしていたのに、実行できなかった」

 

こうした困りごとも、診察で伝えていただきたい内容です。

 

「何とかできている」と「困っていない」は、同じではありません。

 

治療を考えるときは、頭痛があるかどうかだけでなく、仕事、学校、家事、育児、趣味などにどれくらい影響しているかが重要です。総説でも、生活上の大きな支障は、予防治療を検討する理由の一つとして挙げられています。 

 

2.片頭痛は「血管が広がるだけ」で起こるわけではありません

片頭痛について、「頭の血管が広がることで痛くなる」と聞いたことがあるかもしれません。

 

しかし、現在の理解では、それだけで片頭痛の全体像を説明することはできません。遺伝的な要因を背景に、感覚を処理する神経の働き、三叉神経と血管の相互作用、痛みを伝える物質、痛みの感じやすさの変化などが複雑に関わっています。

 

痛みを伝える「三叉神経」と、その周囲の仕組み

 

片頭痛に関わる重要な神経の一つが、三叉神経です。

 

総説の病態図では、脳を包む膜やその血管に分布する神経が活性化し、痛みの信号が脳幹、視床、さらに大脳へと伝わる様子が示されています。この過程には、CGRPやPACAPと呼ばれる物質も関与しています。

 

つまり、片頭痛は「血管だけの問題」でも「気分だけの問題」でもなく、痛みを生み出し、伝え、感じる仕組み全体に関わる病気として考えられています。

 

痛みを伝える仕組みが敏感になることがあります

 

片頭痛では、痛みを伝える神経の仕組みが過敏になる「感作」という現象が関わります。

 

なかでも、脳や脊髄など中枢側の神経が敏感になることを「中枢感作」と呼びます。総説の病態図では、この中枢感作と、通常なら痛くない刺激を痛く感じる「アロディニア(異痛症)」との関係が示されています。 

 

患者さんにとっては、難しい用語を覚える必要はありません。

 

大切なのは、痛み方や刺激への感じ方が変わることも、片頭痛の仕組みと関係している可能性があるということです。

「こんなことまで話してよいのだろうか」と遠慮せず、普段と違う感覚も診察で伝えてください。

 

 

3.「片側が痛くないから片頭痛ではない」とは限りません

「片頭痛」という名前から、頭の片側だけが痛くなる病気だと思われがちです。

 

しかし、総説の要約では、片頭痛患者さんの約40%が、発作中に両側の痛みを訴えると紹介されています。

 

したがって、「両側が痛いから片頭痛ではない」とは言い切れません。痛みの場所だけで自己判断せず、ほかの症状や経過も含めて相談することが大切です。 

 

頭痛が始まる前にも、変化が起きていることがあります

 

片頭痛には、頭痛が始まる前の「予兆期」が認められることがあります。

 

資料では、およそ3分の1に予兆期があるとされ、覚醒、食欲、気分、感覚の処理などに関わる脳の領域が、発作の早い段階から関与している可能性が紹介されています。 

 

また、総説の公開本文プレビューでは、頭痛の数時間から数日前に、疲労感、気分の変化、特定の食べ物が欲しくなるといった症状が現れることが説明されています。サイエンティフィックダイレクト

 

「頭痛が出る前から、何となくいつもと違う」と感じる場合は、その変化も記録してみてください。

 

ただし、そのような体調変化があれば必ず片頭痛が起こる、という意味ではありません。

 

記録をもとに、繰り返し共通するパターンがあるかを主治医と確認することが役立ちます。

 

 

4.頭痛が増えてきたときは、治療を見直す機会です

片頭痛の経過には個人差があり、頭痛が頻繁に起こるようになる方もいます。

 

総説では、慢性片頭痛は世界人口の約1〜2%に認められると紹介されています。 

 

片頭痛の進行に関わる要因として、急性期治療が十分に機能していないことや、急性期治療薬の過剰な使用、睡眠障害、カフェインの過剰摂取、身体活動の不足、喫煙、過体重、不安やうつ、頭痛以外の慢性的な痛みなどが挙げられています。 

 

ここで誤解していただきたくないのは、「頭痛が増えたのは、患者さんの生活の仕方が悪いからだ」という話ではないことです。

 

これらは、治療の際に確認したい要因です。

 

すべてを一度に変えたり、自分を責めたりするための一覧ではありません。

 

「薬が十分に効いているか」「睡眠で困っていないか」「ほかにも痛みや体調の問題がないか」を、一つずつ確認していきましょう。

 

頭痛薬を使う日が増えたら、我慢ではなく相談を

 

頭痛薬を頻繁に使う状態は、治療を見直す重要なサインです。

 

総説では、急性期治療薬の過剰な使用が頭痛の悪化に関わり、「薬剤の使用過多による頭痛」が問題となり得ることが述べられています。一方で、急性期治療が不十分であることも、片頭痛の進行に関わる要因として挙げられています。サイエンティフィックダイレクト 

 

このため、目指したいのは「薬を飲まずに耐え続けること」ではありません。

 

必要な発作には適切に対処しながら、頻繁に薬が必要になる状態そのものを減らすことです。

 

自己判断で薬を増やしたり中断したりするのではなく、薬を使った日数と効き方を伝え、急性期治療と予防治療の両方から見直していきましょう。

 

 

5.片頭痛治療には、3つの柱があります

総説では、片頭痛治療の基本を次の3つに整理しています。

 

治療の柱何を目指すもの?
急性期治療起こった頭痛や随伴症状を改善する
予防治療発作の頻度や強さを減らす
病気への理解・生活の調整・非薬物療法悪化に関わる要因を見直し、薬以外の方法も組み合わせる

 

これらは、どれか一つだけを選ぶという関係ではありません。

 

頭痛が起きたときに使う薬を準備しながら、発作を減らす治療を行い、生活の中で調整できることを探していく。そのように、組み合わせて考える治療です。

 

「薬を使うか、生活習慣を変えるか」という二者択一にせず、無理なく続けられる方法を相談していきましょう。

 

 

6.急性期治療は「少し楽になれば十分」とは限りません

急性期治療とは、片頭痛の発作が起きたときに、痛みなどの症状を改善する治療です。

 

資料の治療表には、アセトアミノフェンや非ステロイド性抗炎症薬などの鎮痛薬、トリプタン、ラスミジタン、ゲパントと呼ばれる薬など、複数の選択肢が紹介されています。

 

ただし、ここで大切なのは、薬の名前をたくさん覚えることではありません。

 

今使っている薬で、自分の生活がどのくらい回復しているかを確認することです。

 

「2時間以内に痛みがなくなり、再発しない」が一つの目標

 

資料では、2024年の国際頭痛学会の推奨として、望ましい急性期治療の目標に、服薬後2時間以内に痛みがなくなり、その後48時間以内に再発しないことが挙げられています。

 

また、発作ごとに安定した効果が得られることや、副作用などの負担が許容できることも重視されています。 

 

これは、すべての患者さんが毎回必ず達成できる、という保証ではありません。しかし、治療を評価するときの大切な目安になります。

 

例えば、診察では次のように、具体的に伝えてみてください。

 

「薬を飲むと痛みは半分になりますが、その後も半日寝ています」


「いったん良くなりますが、夕方になるとまた痛みます」


「効く日と、ほとんど効かない日があります」


「痛みは楽になりますが、副作用がつらいです」

 

単に「効きます」「効きません」と伝えるよりも、どの部分を改善したいのかを共有しやすくなります。

 

薬を飲んでも生活への支障が残る場合は、その状態に慣れてしまう前に相談してください。

 

 

7.予防治療は「頭痛の回数が多い人だけ」のものではありません

予防治療は、頭痛が起こった後に対処するのではなく、発作の頻度や強さを減らすことを目指す治療です。

 

資料では、次のいずれかに当てはまる場合に、予防治療の検討が勧められています。 

 

  1. 片頭痛が月に4日以上ある。
  2. 仕事や学校、家庭生活などに大きな支障が出ている。
  3. 急性期治療を適切に行っても、十分な改善が得られない。
  4. 急性期治療薬を頻繁に使用している。

 

ここで重要なのは、「すべてを満たす必要がある」わけではないことです。

 

月4日未満でも、相談してよいのです

「私は月に2回くらいなので、予防治療の対象ではないですよね」と考える必要はありません。

 

例えば、月に2回でも、そのたびに仕事を休む、家事や育児ができなくなる、大切な予定を取りやめる、といった状況であれば、生活上の支障は小さくありません。

 

資料の基準でも、頭痛の日数とは別に、生活への大きな支障が予防治療を検討する理由として挙げられています。頭痛の日数だけで、困りごとの大きさを判断しないことが大切です。

 

日本のガイドラインからの補足:『頭痛の診療ガイドライン2021』でも、発作が月2回以上、または生活に支障をきたす頭痛が月3日以上ある場合などに、予防治療の検討が勧められています。日本頭痛学会

 

診察では「減らしたい困りごと」を伝えてください

予防治療について相談するときは、「頭痛を減らしたい」に加えて、具体的な希望も伝えてみてください。

 

例えば、「仕事を休む日を減らしたい」「週末に家族と出かけたい」「頭痛薬を頻繁に必要とする状態を変えたい」といった希望です。

 

治療の目標を、頭痛の日数だけでなく、自分の生活と結び付けて考えてみましょう。

 

 

8.片頭痛の仕組みを標的にした治療が発展しています

近年の片頭痛治療で重要なのが、CGRPに関わる治療です。

 

CGRPは、片頭痛に関係する神経の情報伝達に関わる物質の一つです。総説の病態図にも、三叉神経の周辺で働く物質として描かれています。 

 

注射薬だけでなく、飲み薬にも選択肢があります

資料の予防治療表には、CGRP関連抗体薬や、ゲパントに分類される薬が紹介されています。

 

CGRP関連抗体薬は、CGRPそのもの、またはその働きを受け取る受容体を標的とする治療です。ゲパントは、CGRPの受容体の働きを抑える薬です。資料には、注射による治療に加えて、経口薬も示されています。 

 

また、資料の急性期治療と予防治療の表では、ゲパントの薬剤がそれぞれ取り上げられています。ただし、薬によって役割や使い方は異なります。「同じ種類の薬なら、どれも同じ使い方ができる」というわけではありません。

 

新しい薬だけで、すべてが解決するわけではありません

こうした治療は、片頭痛の仕組みの研究から生まれた重要な進歩です。

 

一方で、資料では、片頭痛には複数の仕組みが関わっており、一つの経路を標的にするだけでは十分な改善が得られない患者さんもいることが強調されています。 

 

そのため、「新しい薬だから、誰にでも一番よい」と考えるのではなく、自分にとっての効果や負担を確認することが大切です。

 

診察では、副作用への不安、飲み薬と注射の希望、費用、継続のしやすさなども伝えてください。薬を選ぶこと自体がゴールではなく、生活を改善するための方法を一緒に考えることが大切です。

 

9.生活習慣の調整は、自分を責めるためではありません

資料では、薬物治療に加えて、患者さんへの説明、睡眠、ストレスへの対応、食生活などを含めた取り組みが重視されています。 

 

「生活習慣を整えましょう」と言われると、すでに仕事や家庭で精いっぱいの方には、負担に感じられるかもしれません。

 

ここで目指したいのは、完璧な生活ではありません。頭痛と関係しそうなことを確認し、現実的に調整できるものを探すことです。

 

睡眠の困りごとも相談してください

資料では、睡眠障害が片頭痛の進行に関わる要因として挙げられています。また、非薬物療法の一環として、睡眠環境や睡眠習慣への働きかけが紹介されています。 

 

「眠る時間が取れない」「眠ろうとしても眠れない」「睡眠に満足できない」など、睡眠の困りごとも頭痛の診察で伝えてください。

 

単に「早く寝るように」と自分に言い聞かせるのではなく、何が難しいのかを具体的に共有しましょう。

 

カフェインは、まず摂取状況を把握することから

資料では、カフェインの過剰摂取も、片頭痛の進行に関わる要因として挙げられています。

 

まずは、普段どのような飲み物を、どのくらい飲んでいるかを確認してみてください。「何となく多いかもしれない」と感じる場合は、その内容を診察で相談しましょう。

 

この資料だけから、すべての患者さんに共通する具体的な摂取量を決めることはできません。極端な制限を自己判断で始めるのではなく、実際の摂取状況をもとに考えることが大切です。

 

 

運動療法も、研究されている治療の一つです

資料では、筋力トレーニングや有酸素運動が、科学的根拠のある非薬物療法として紹介されています。 

 

ただし、それを「頭痛がつらいときも、無理をして運動すべき」と受け取る必要はありません。また、この資料には、全員に共通する運動の回数や時間が示されているわけではありません。

 

運動を取り入れる場合は、体調やこれまでの運動習慣に合わせ、続けられる内容を相談してください。

 

 

ストレスへの対応は「気の持ちようで治す」という意味ではありません

資料では、認知行動療法、バイオフィードバック、リラクセーション、瞑想なども、非薬物療法として取り上げられています。 

 

こうした方法を使うことは、片頭痛を「気持ちだけの病気」と扱うことではありません。薬物治療と対立するものでもなく、治療を組み立てる際の選択肢の一部です。

 

「ストレスをなくさなければ」と自分に課題を増やすのではなく、負担を軽くする方法について相談してみてください。

 

 

鍼などの非薬物療法にも、個別の検討が必要です

資料では、鍼治療を含む複数の非薬物療法についても研究が紹介されています。

 

ただし、「研究で有効性が示された方法がある」ことと、「どのような方法でも、誰にでも同じ効果が得られる」ことは別です。

 

薬を使わない治療を希望する場合も、その希望を主治医と共有し、薬物治療を含む全体の計画の中で考えていきましょう。

 

 

10.頭痛ダイアリーは、つらさを伝えるための道具です

資料では、片頭痛には定量可能なバイオマーカーがなく、紙やデジタルの頭痛ダイアリーを活用することが有用とされています。 

 

バイオマーカーとは、病気の状態を客観的な数値などで捉えるための指標です。片頭痛では、そうした一つの指標だけで状況を判断するのではなく、症状の経過を把握することが重要になります。

 

「前回の診察から、何日くらい頭痛がありましたか」と聞かれても、思い出すのは難しいものです。記録は、その振り返りを助けるために使います。

 

最初から、細かく書きすぎなくても構いません

記録を始めるときの一例として、次のような形が考えられます。

11月○日:頭痛あり。薬を使用。2時間後も痛みが残り、夕方の買い物を中止した。
11月△日:頭痛あり。薬を使用後は楽になり、仕事を続けられた。

 

これは、特定の研究で指定された記録様式ではなく、診察で困りごとを共有するための記載例です。

 

「頭痛があった日」「薬を使った日」「効き方」「できなかったこと」を中心に、書きやすい方法で残してみてください。

 

頭痛の強さだけでは伝わりにくいときは、「横になった」「予定を取りやめた」「仕事に時間がかかった」という生活上の変化も役立ちます。

 

頭痛ダイアリーは、患者さんがきちんと生活しているかを採点するものではありません。治療について話し合うための道具です。

 

 

11.「いつもの片頭痛」と決めつけないことも大切です

日本の診療ガイドラインに基づく、安全のための補足

 

突然の激しい頭痛や、手足の麻痺、言葉の出にくさ、意識の異常を伴う頭痛は、救急受診が必要です。発熱を伴う頭痛、いつもと違う新しい頭痛、次第に悪化する頭痛も、片頭痛と自己判断せず医療機関に相談してください。日本頭痛学会

 

片頭痛と診断されている方でも、普段との違いを伝えることをためらわないでください。

 

 

12.治療のゴールは、頭痛に合わせて生活を小さくしないこと

今回の総説から伝わってくるのは、片頭痛の治療を「痛くなったら薬を飲む」だけで終わらせない、という考え方です。

 

起こった発作に対処する急性期治療、発作そのものを減らす予防治療、病気への理解や非薬物療法。この3つを組み合わせて考えることが、治療の基本として示されています。 

 

診察では、頭痛の日数や薬の名前だけでなく、頭痛のために諦めていることも教えてください。

 

「仕事に集中したい」
「家族との予定を楽しみたい」
「休日を寝て過ごすことを減らしたい」
「頭痛への不安に、予定を左右されたくない」

 

そうした希望を、治療の目標にしてよいのです。

 

姫路駅前みどり脳神経外科クリニックが大切にしたいのは、薬を増やすことそのものではなく、患者さんが自分らしく生活できるようにすることです。

 

「この程度で相談してよいのかな」と、困りごとを小さく見積もる必要はありません。

 

頭痛薬を飲んでもつらい、頭痛の日数が増えてきた、生活への影響が大きくなってきた。そのようなときは、今の治療を見直す機会です。頭痛の回数と、頭痛によって困っていることを、一緒に整理していきましょう。

 

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