こんにちは。姫路駅前みどり脳神経外科クリニックです。
この記事では、「耳鳴り」や「目の充血」「視力低下」など、見逃されがちな症状の背後に潜んでいる可能性のある「硬膜動静脈瘻」という脳の血管の病気について、ご紹介します。
■ 硬膜動静脈瘻(dAVF)とは?
「硬膜動静脈瘻(こうまくどうじょうみゃくろう)」とは、脳を包む膜(硬膜)の中で、本来はつながっていないはずの動脈と静脈が異常につながってしまう病気です。
この異常な血管のつながりによって、動脈の高い血圧が静脈に直接流れ込み、静脈に大きな負担がかかります。
この状態が続くと、脳の血液の流れが乱れ、さまざまな神経症状や出血を引き起こす原因となります。
■ なぜ起こるの?
硬膜動静脈瘻は、ほとんどが後天的に起こります。つまり、生まれつきではなく、何らかのきっかけで発症するのです。
頭をぶつけた、手術を受けたことがある
静脈の血栓(血のかたまり)
高血圧や動脈硬化
ホルモンバランスの変化(中高年女性に多いという報告もあります)
ただし、はっきりとした原因が特定できない場合も少なくありません。
■ どんな症状が出るの?
硬膜動静脈瘻は、発生する場所や血液の流れ方によって症状が異なります。以下のような症状に注意が必要です。
【耳の近く】脈に合わせてドクドクと聞こえる耳鳴り(拍動性耳鳴)
【目の近く】充血、まぶたの腫れ、目の奥の痛み、視力低下、眼球突出
【脳の近く】頭痛、手足のしびれ、けいれん、言葉が出にくい、意識障害
また、最近では「認知症のような症状」で受診され、実はこの病気が原因だったというケースも報告されています。これは、脳の血液循環が悪くなって物忘れや集中力の低下が起きていたことによるものです。
■ どのように診断するの?
姫路駅前みどり脳神経外科クリニックでは、まずMRIやMRAといった画像検査で脳の状態を確認します。
さらに疑わしい場合は、高次医療機関に紹介の上、専門的な「脳血管撮影(DSA)」という検査を行い、異常な血流や血管のつながりを詳しく調べることがあります。
この検査により、治療の必要性や緊急度を正確に判断できます。
■ 治療法は?
硬膜動静脈瘻は、適切な治療を受ければ治る可能性の高い病気です。主な治療法は以下の通りです。
【血管内治療(カテーテル治療)】
カテーテルという細い管を血管に通し、異常な血管のつながりを接着剤のような物質で塞ぎます。
【外科手術】
病変の場所によっては、開頭して直接血管を処理することもあります。
【放射線治療】
ガンマナイフなどを用いて、異常血管を少しずつ閉じていく治療法もあります(即効性は低いため、限定的な症例で使用されます)。
症状が軽度で、危険性が低いと判断された場合は、経過観察になることもあります。
■ 放置するとどうなるの?
静脈に高い圧力がかかり続けると、脳に負担がかかり、出血や脳の腫れ、神経機能の障害が起こることがあります。
特に、皮質静脈という脳の表面の血管に逆流が起こるタイプは、放置すると突然の脳出血や重い後遺症につながる危険性が高く、早期治療が必要です。
■ 姫路で脳神経外科のクリニックをお探しの方へ
「耳鳴りが続く」「目の充血が気になる」「最近、もの忘れが増えてきた」――その症状、もしかしたら脳の血管が関係しているかもしれません。
姫路駅前みどり脳神経外科クリニックでは、MRIを使った頭部検査や、専門的な脳血管疾患の診断・早期発見に対応しております。
姫路で脳神経外科をお探しの方、頭の症状でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。早期発見と適切な治療が、健康な未来への第一歩です。
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当院ではWeb予約も可能です。お気軽にご利用ください。
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