前庭性片頭痛(vestibular migraine)は、めまいを主症状とする片頭痛の一種です。
めまいの発作は、数分から数時間続くことがあり、日常生活に大きな影響を与えます。
前庭性片頭痛の患者は、必ずしも頭痛を伴うわけではないため、診断が難しい場合がありますが、頭痛や光過敏、音過敏といった他の片頭痛症状を経験することが多いです(Lempert & Neuhauser, 2009)。
この疾患の原因は完全には解明されていませんが、脳内の血管機能や神経系の異常が関係していると考えられています(Olesen et al., 2018)。
また、ストレス、ホルモンの変動、特定の食品(チーズ、ワイン、チョコレートなど)が発作を引き起こすことがあると報告されています(Bisdorff et al., 2015)。
治療には、片頭痛に使われる薬物療法が一般的で、予防薬や発作時に服用する薬が処方されます。
さらに、生活習慣の改善やストレス管理も重要な要素です(Cha et al., 2019)。もし頻繁にめまいや片頭痛に悩まされる場合は、専門医の診察を受け、適切な治療を開始することが推奨されます。
引用文献:
- Lempert, T., & Neuhauser, H. (2009). Epidemiology of vertigo, migraine and vestibular migraine. Journal of Neurology, 256(3), 333-338.
- Olesen, J., & Ashina, M. (2018). Migraine as a vascular disorder. Cerebral circulation and migraine, 15(1), 3-7.
- Bisdorff, A., Calhoun, A., & Solomon, S. (2015). Vestibular migraine: A comprehensive review. Headache, 55(5), 713-721.
- Cha, Y. H., Cui, Y., & Baloh, R. W. (2019). Vestibular migraine: Diagnosis and treatment. Journal of Neurology, 266(4), 791-798.