認知症の中で、アルツハイマー型認知症に次いで多いとされるのが、**レビー小体型認知症(DLB:Dementia with Lewy Bodies)**です。
姫路エリアでも、「もの忘れ」だけでなく、幻視や体の動かしにくさをきっかけに受診される方が増えています。
レビー小体型認知症は、症状の特徴を知らないと見逃されやすく、薬の選択を誤ると症状が悪化することがあるため、正しい理解と鑑別診断が非常に重要です。

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レビー小体型認知症の主な症状
国際的な診断基準や大規模研究で、DLBには以下の中核症状があることが示されています。
① 認知機能の変動
日や時間帯によって頭の冴え方が大きく変わる
しっかり会話できる時と、ぼんやりしている時が混在
→アルツハイマー型認知症のように「一定方向に少しずつ悪化する」のとは異なります。
② 幻視(実際には存在しないものが見える)
人や子ども、動物がはっきり見える
本人は「本当に見えている」と感じる
→初期から出現しやすいのがDLBの大きな特徴です。
③ パーキンソン症状
動作が遅い
歩幅が小さい
体がこわばる
転びやすい
→ パーキンソン病と似た症状が、認知症と同時期か前後して出現します。
④ 睡眠時行動異常(RBD)
寝ている間に大声を出す
手足を激しく動かす
夢の内容を行動で表す
→ DLBの非常に重要な早期サインです。
なぜ起こるのか(病態)
レビー小体型認知症では、脳内に
α(アルファ)シヌクレイン
という異常なたんぱくが蓄積し、レビー小体を形成します。
これは、
アルツハイマー型認知症(アミロイドβ)
前頭側頭型認知症(タウ・TDP-43)
とはまったく異なる病態であり、治療や薬の考え方も異なります。
鑑別診断がとても重要です
レビー小体型認知症は、他の病気と非常に間違われやすい認知症です。
主な鑑別疾患
■ アルツハイマー型認知症
もの忘れが中心
幻視は比較的少ない
■ パーキンソン病認知症
パーキンソン症状が先行し、後から認知症が出現
■ 前頭側頭型認知症
性格・行動変化が中心
幻視はまれ
■ せん妄・うつ病
一時的な意識障害や気分障害が主
■ 脳腫瘍・慢性硬膜下血腫・正常圧水頭症
治療可能な認知症(必ず除外が必要)
→疾患に応じて治療方法が異なります。
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MRI検査がなぜ必要なのか
レビー小体型認知症の診断において、MRIは不可欠な検査です。
MRIで分かること
① 治療可能な病気の除外
脳腫瘍
慢性硬膜下血腫
正常圧水頭症
→ これらは治療で改善が期待できるため、見逃しは許されません。
② 認知症のタイプを考える材料
DLBでは、アルツハイマー型ほど海馬萎縮が強くないことが多い
前頭側頭型のような限局性萎縮も目立たない
→ MRI単独で確定診断はできませんが、
症状+MRI所見の組み合わせが診断精度を高めます。
③ 経過観察の基準
症状の進行
他疾患の合併
を評価するベースラインとして重要です。
治療の考え方(とても大切)
使われることのある薬
コリンエステラーゼ阻害薬
→ 認知機能や幻視の改善が期待される場合あり
注意が必要な薬
抗精神病薬(特に定型薬)
→ 重篤な副作用を起こすことがあり、原則慎重
👉 レビー小体型認知症では、
「薬に非常に敏感」
という特徴があり、専門的な判断が不可欠です。
まとめ(患者さん・ご家族へ)
レビー小体型認知症は、
認知機能の変動
幻視
パーキンソン症状
睡眠時行動異常
を特徴とする認知症です。
アルツハイマー型認知症とは症状も治療も大きく異なり、
正確な鑑別とMRIによる評価が極めて重要です。
「見えないものが見える」
「日によって様子が違う」
「歩きにくさが出てきた」
こうした症状が気になる場合は、
年のせい・気のせいと決めつけず、
姫路駅前みどり脳神経外科クリニックへ早めにご相談ください。


