「スマホを長時間見たあとに頭が痛くなる」
「仕事でパソコンを使っていると夕方になると頭痛がする」
「子どもがゲームやタブレットを使ったあと、頭痛を訴える」
頭痛外来では、このような相談をよく受けます。
2026年8月、スマートフォン・パソコン・タブレットなどのデジタル画面を見る時間と片頭痛・頭痛の関係について、これまでの研究をまとめたシステマティックレビュー・メタ解析がJournal of Neurologyに発表されました。
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画面を見る時間が長い人は、頭痛が多い?
今回の研究では、22研究、合計14,763人のデータが検討されました。
そのうち統計的にまとめることができた10研究、11,218人を解析すると、画面を見る時間が多い人では、少ない人と比較して片頭痛・頭痛との関連が約1.6倍認められました。
成人だけで解析しても、小児・思春期だけで解析しても、同じ方向の関連が確認されています。
ただし、ここには非常に重要な注意点があります。
この研究だけで、
「スマホを見たから片頭痛になった」
と断定することはできません。
研究の多くが、ある時点で生活習慣と頭痛を調査する「横断研究」であり、画面時間も自己申告が中心でした。そのため研究者も、現時点のエビデンスの確実性は低いと評価しています。
つまり、スマホを禁止すれば片頭痛が治る、という話ではありません。
なぜ画面を見ると頭痛が起こるのでしょうか?
いくつかの理由が考えられています。
片頭痛の患者さんには光過敏が多くみられます。
片頭痛発作中だけでなく、普段から「スマホの画面がまぶしい」「蛍光灯がつらい」「明るい場所に長くいると頭痛がする」という方もいます。
光の情報は目から脳へ送られますが、この経路の一部は片頭痛の痛みに関係する神経回路ともつながっています。そのため光刺激が、頭痛を増強することがあります。
さらに長時間スマートフォンを見ることで、
睡眠時間が遅くなる
→ 睡眠不足になる
→ 片頭痛が起こりやすくなる
という間接的な影響も考えられます。
今回の研究でも、22研究中18研究で画面時間と睡眠障害との関連が報告されました。また、眼精疲労、生活の質の低下、首や肩などの筋骨格症状との関連も報告されています。
つまり問題は単純な「ブルーライト」だけではありません。
光刺激、睡眠、眼精疲労、姿勢、長時間の集中などが複合的に関係している可能性があります。
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「ブルーライトカット眼鏡をかければ大丈夫」ではない
患者さんから、
「ブルーライトカットの眼鏡を使った方がいいですか?」
と聞かれることがあります。
現時点では、片頭痛患者全員にブルーライトカット眼鏡を使用すれば頭痛が予防できる、という十分な根拠はありません。
それよりも大切なのは、自分の場合、どのような使い方で頭痛が悪化するかを知ることです。
例えば、
長時間休憩なしで画面を見ていないか
夜遅くまでスマートフォンを使用していないか
画面の明るさが強すぎないか
光過敏があるのに無理して見続けていないか
スマートフォンを見るために首を下げた姿勢が続いていないか
などを振り返ってみましょう。
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スマホを完全にやめる必要はありません
現代社会では、仕事、学校、連絡、予約、買い物など、スマートフォンやパソコンを使わない生活は現実的ではありません。
そのため片頭痛治療でも、
「スマホ禁止」ではなく、「頭痛が起こりにくい使い方を探す」
ことが重要です。
特に片頭痛が頻繁に起こる場合、画面時間だけが原因とは限りません。
睡眠不足、月経、ストレス、空腹、薬剤使用過多などが重なっていることもあります。また、頭痛の頻度が増えている場合は、片頭痛予防薬やCGRP関連薬などの予防治療を検討した方がよい場合もあります。
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頭痛が増えてきたら、一度原因を整理しましょう
「最近スマホを見ると頭痛がする」
「仕事でパソコンを使うのがつらい」
「頭痛で学校や仕事を休むことが増えた」
「頭痛薬を飲む日が増えてきた」
このような場合、単なる眼精疲労と思い込まず、一度頭痛の種類を確認することをおすすめします。
姫路駅前みどり脳神経外科クリニックでは、片頭痛、慢性頭痛、薬剤使用過多による頭痛などの診療を行っています。
必要に応じて頭部MRIなどで二次性頭痛を除外し、頭痛の特徴、生活への影響、頭痛薬の使用状況などを確認したうえで治療を検討します。
スマートフォンを我慢することだけが頭痛治療ではありません。
頭痛が起きる仕組みを整理し、「頭痛のために生活をあきらめる日」を減らすことが大切です。


