
「最近、歩きにくくなってきた」
「物忘れが増えた気がする」
「トイレが近くなった、間に合わないことがある」
このような症状があると、多くの方は
「年齢のせい」
「認知症が始まったのではないか」
と考えるかもしれません。
しかし、これらの症状の原因として
正常圧水頭症(Normal Pressure Hydrocephalus:NPH)
という病気が隠れていることがあります。
正常圧水頭症は、適切に診断し治療することで症状の改善が期待できる病気として知られており、「治療できる認知症」とも呼ばれています。
今回は、正常圧水頭症について患者さん向けにわかりやすく解説します。
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正常圧水頭症とは
正常圧水頭症とは、脳の中にある脳脊髄液(のうせきずいえき)という液体がうまく循環しなくなり、脳の中の空間(脳室)が広がってしまう病気です。
脳脊髄液は本来、
脳を保護する
栄養や老廃物を運ぶ
といった重要な役割を持っています。
しかし何らかの原因でこの液体の流れが悪くなると、脳室が拡大し、脳の働きに影響が出てしまいます。
特徴的なのは、髄液の圧力がそれほど高くないにもかかわらず症状が出る点で、これが「正常圧水頭症」という名前の由来です。
この病気は特に高齢者に多く、70歳以上で見つかることが多いとされています。
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正常圧水頭症の主な症状
正常圧水頭症には、よく知られた3つの症状(3徴)があります。
① 歩行障害(最も多い症状)
もっともよく見られる症状は歩きにくさです。
特徴的な歩き方として
小刻み歩行
すり足
足が前に出にくい
歩き始めが難しい
などがあります。
患者さん自身よりも、家族が
「歩き方が変わった」
「よちよち歩きになった」
と気づくことも多いです。
② 認知機能の低下
2つ目は認知機能の低下です。
例えば
物忘れが増える
判断力が低下する
意欲が低下する
会話が減る
といった症状が見られます。
ただし、一般的な認知症と比べると
歩行障害が先に出ることが多いのが特徴です。
③ 尿失禁
3つ目は尿失禁(尿もれ)です。
具体的には
トイレが近くなる
急に尿意が来る
トイレが間に合わない
といった症状が見られることがあります。
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正常圧水頭症の原因
正常圧水頭症には大きく分けて2つのタイプがあります。
特発性正常圧水頭症
高齢者に多く見られます。
続発性正常圧水頭症
以下のような病気の後に起こることがあります。
くも膜下出血
頭部外傷
髄膜炎
脳出血
MRI検査で診断の手がかりが得られます
正常圧水頭症を疑う場合、まず重要になるのがMRI検査です。
MRIでは
脳室の拡大
特徴的な脳の形の変化
などを確認することができます。
また
アルツハイマー型認知症
パーキンソン病
脳血管障害
など、似た症状を起こす病気との鑑別も重要になります。
そのため、歩きにくさや物忘れがある場合はMRIで脳の状態を確認することが大切です。
タップテストとは
正常圧水頭症が疑われる場合、タップテストという検査を行うことがあります。
これは
腰から少量の髄液を抜いて症状の改善を確認する検査
です。
この検査によって、手術による治療効果が期待できるかどうかを判断する参考になります。
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正常圧水頭症の治療
正常圧水頭症の治療として、シャント手術が行われることがあります。
これは、脳にたまった髄液を体の別の場所へ流すための管(シャント)を入れる手術です。
代表的な方法として
脳室腹腔シャント(VPシャント)
腰椎腹腔シャント(LPシャント)
- 第三脳室底開窓術
などがあります。
患者さんの状態を総合的に評価したうえで、治療方針が検討されます。
こんな症状がある方はご相談ください
以下のような症状がある場合、正常圧水頭症の可能性もあります。
最近歩きにくくなった
小刻み歩行やすり足になった
物忘れが増えてきた
トイレが近くなった
家族に歩き方の変化を指摘された
これらの症状は、年齢のせいと思われがちですが、脳の病気が隠れていることもあります。
早期診断が大切です
正常圧水頭症は、早期に診断することで改善が期待できる可能性のある病気です。
「歩きにくさ」「物忘れ」「尿もれ」といった症状が気になる場合は、脳の検査を受けることをおすすめします。
姫路駅前みどり脳神経外科クリニックでは、MRIによる脳の検査を行い、これらの症状の原因を詳しく調べることができます。
気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。


