認知症というと「もの忘れ」を思い浮かべる方が多いと思います。
しかし、前頭側頭型認知症(Frontotemporal Dementia:FTD)は、記憶障害が目立たないことも多く、行動や性格の変化が前面に出る認知症です。
比較的50〜60代の若い年代で発症することが多く、「性格の問題」「うつ」「仕事のストレス」と誤解され、診断まで時間がかかるケースも少なくありません。
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前頭側頭型認知症の主な症状
FTDでは、前頭葉・側頭葉という、感情や社会性、言語を司る脳の部位が障害されます。そのため、次のような症状がみられます。
行動・性格の変化(行動変異型FTD)
怒りっぽくなる、感情の抑制が効かない
空気を読めない、失礼な言動が増える
同じ行動を繰り返す(常同行動)
甘いものばかり食べる、食行動の変化
無関心・意欲低下(だらしなく見えることも)
言葉の障害(原発性進行性失語)
言葉が出にくい
単語の意味が分からなくなる
会話が成り立ちにくくなる
一方で、初期には「もの忘れ」は比較的保たれることが多く、アルツハイマー型認知症との大きな違いです。
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なぜ起こるのか(病態)
前頭側頭型認知症では、タウ蛋白やTDP-43などの異常なたんぱくが脳内に蓄積し、神経細胞が障害されることが分かっています。
アルツハイマー型認知症の主因であるアミロイドβとは異なる病態であり、治療薬の考え方も異なります。
鑑別診断がとても重要です
FTDは症状の特徴から、他の病気と間違われやすいため、正確な鑑別診断が欠かせません。
主な鑑別疾患
アルツハイマー型認知症
→ 近時記憶障害が目立つうつ病・双極性障害
→ 気分症状が中心で経過が可逆的なことも統合失調症・発達障害
→ 若年期からの経過がヒント脳血管性認知症
→ 脳梗塞の既往や画像所見正常圧水頭症・脳腫瘍・慢性硬膜下血腫
→ 治療可能な認知症(除外が必須)
「性格が変わっただけ」「年齢的におかしい」と感じたときこそ、医療機関での評価が重要です。
MRI検査がなぜ必要なのか
前頭側頭型認知症の診断において、脳MRIは極めて重要な検査です。
MRIで分かること
前頭葉・側頭葉の萎縮
FTDでは、アルツハイマー型とは異なり、前頭葉や側頭葉の限局した萎縮がみられることがあります。他の病気の除外
腫瘍、血腫、水頭症など、治療で改善可能な病気を見逃さないために必要です。診断の方向性を決める材料
症状・神経心理検査とMRI所見を組み合わせることで、診断の精度が高まります。
※初期ではMRIに明らかな異常が出ないこともあり、経過観察や専門医評価が必要になる場合もあります。
治療と向き合い方
現時点では、前頭側頭型認知症を根本的に治す治療法は確立されていません。
アルツハイマー型認知症で使用される薬が、FTDでは効果が乏しい、あるいは症状を悪化させる場合もあるため、正確な診断が極めて重要です。
治療の中心は、
行動症状への対症療法
生活環境の調整
家族へのサポートと理解
となります。
もの忘れや行動、性格の変化でお困りの方は「姫路駅前みどり脳神経外科クリニック」にご相談ください。



