ビタミンB12欠乏症とは?
ビタミンB12は、赤血球をつくったり、神経を正常に保ったりするために欠かせない栄養素です。これが不足すると貧血(巨赤芽球性貧血)や神経症状が起こることがあります。


🍽 ビタミンB12が多く含まれる食品(100gあたり)

食品含有量(μg/100g)
牛レバー52.8 μg
鶏レバー44.4 μg
しじみ(生)68.4 μg
あさり(生)52.4 μg
さんま(焼き)17.7 μg
かつお(刺身)12.0 μg
鶏卵(全卵・ゆで)1.1 μg
牛乳0.4 μg

成人の1日推奨量(厚労省・日本人の食事摂取基準2020年版):2.4μg


欠乏症の主な症状

  • 貧血(巨赤芽球性貧血):顔色が悪い、動悸、息切れ

  • 神経症状

    • 手足のしびれや感覚鈍麻(後索障害)

    • 歩行障害(脊髄の変性による)

    • 記憶障害やうつ症状(特に高齢者)

    • ハンター舌炎(舌の表面が赤く平らに)

これらの神経症状は、ビタミンB12欠乏が進行すると不可逆的になる場合があり、早期発見・治療が重要です。


🩺 どんな人が欠乏しやすい?

  • 高齢者(胃酸分泌の低下で吸収が落ちる)

  • 胃の手術後の方(胃から分泌される内因子がなくなる)

  • 偏食の方(植物性食品にはほぼ含まれない)

  • メトホルミンやPPI(胃薬)を長期服用している方


💊 治療や予防について

  • 内服薬(メコバラミン):1日500~1500μg

  • 吸収障害がある場合は注射治療(500μg IMを週1回〜月1回など)

  • 治療効果は血液検査でフォローします


📩 食事の見直しや必要な検査については、お気軽に医師へご相談ください。ビタミンB12欠乏は、早めに対処すれば回復可能な栄養障害です。