頭痛が続くときや、ご家族に脳卒中の経験があると、「脳に何か異常があるのでは…?」と心配になりますよね。
脳神経外科での脳のMRI検査を通じて偶然「血管のふくらみ」が見つかることがあります。
 
ただし、そのふくらみが本当に危険なものなのか、あるいは心配のいらないものなのか、すぐにははっきりしないこともあります。
 
 

よくあるのは「漏斗状血管拡張」

検査で見つかるふくらみの中には、**「漏斗状血管拡張(ろうとじょうけっかんかくちょう)」**と呼ばれる、
生まれつきの血管のかたちの変化が含まれます。
 
これは、血管の分かれ目が少しだけ漏斗(ろうと)のように広がっている状態で、
基本的には破裂などの心配はないとされる、良性の構造です。
 
 

でも、動脈瘤との見分けはむずかしいことも…

一方で、似たような場所にできる「脳動脈瘤(のうどうみゃくりゅう)」は、
くも膜下出血を引き起こすリスクのある病変です。
 
漏斗状血管拡張と脳動脈瘤は、診断基準はあるものの、画像で見たときに非常によく似ており、特に小さなものほど区別がつきにくいのが現実です。
 
MRIでもある程度の情報は得られますが、完全に診断するためには「脳血管撮影(DSA)」と呼ばれる詳しい検査が必要です。
ただしこれは、カテーテルを使う侵襲的な検査であり、すべての方に気軽におすすめできるものではありません。
 
 
 

だからこそ、MRI+定期的なフォローアップが大切

当院では、まずMRIでの確認をおすすめしています。
MRIで見つかった「ふくらみ」が典型的な漏斗状血管拡張であれば、経過観察のみで問題ありません。
 
しかし、「動脈瘤の可能性もあるかも…」というようなグレーゾーンのケースも少なくありません。
そのようなときは、すぐに治療というわけではなく、数ヶ月~1年ごとにMRIを行い、ふくらみの大きさや形に変化がないかを見守ることが大切です。
 
もし、経過中に明らかな変化が出てきた場合には、専門病院での詳しい検査や治療を考えることができます。
 
 
 

まとめ

小さな血管のふくらみは、心配のいらないケース(漏斗状血管拡張)もあります
 
ただし、MRIだけで確実に診断できるとは限りません
 
必要に応じて、定期的なMRIフォローが安心につながります
 
不安な気持ちを抱えたままにせず、まずは姫路駅前みどり脳神経外科クリニックへお気軽にご相談ください